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《 ブラックボックス 》

その時、美津子は 何メートルか先の右壁に、また黒い物を見つけました。

彼女は、その前へ走りよってみると、そこには、ごく普通の扉がありました。

美津子は 胸をドキドキさせながら、扉を開いてみますと

そこには また同じような廊下が 延々と続いているようです。

美津子は、ふらりと入って行きました。

そのとたん扉は バタンとしまってしまいました。

美津子は、あわてましたが後の祭り。扉は開きません。

ああん もうッ 美津子は胸がさわいで仕方がありません。

もし、もしもよ、さっきまでの廊下が本筋で

この廊下は ホワイトボックスへ通じてなかったら…

いいえ、ひょっとしたら こっちが通じているかもしれない。

そうよ、行くしかないんだわ。

それに、なんだか家に帰れそうな気がする。

美津子は 気を取り戻し再び進みだしました。

 

しばらく行くと また扉が ありました。

美津子は とまどいながら開いてみました。

開いたとたん まばゆい光が どっと扉の向こうから押し寄せてきました。

ホワイトボックス?! 中に入ろうとして思わず美津子はやめました。

またさっきのような事になって、ここがホワイトボックスでなかったら?

あまりまぶしかったので、美津子は扉を閉めました。

すると、そのとたんその扉は壁の中に消えてしまいました。

入らなくてよかった…んだよね?

美津子は、ほっとして、ため息をつきました。

さあ 行きましょう美津子。 彼女は、自分を励ますと歩きはじめました。

ホワイトボックスってどこにあるのかしら。

考えてみるとあたしホワイトボックスって

どんな所かも知らなかったんだ。

カラスさんに聞いときゃよかったかな…さっきみたいに開けてみた時に、

話に聞いておけば、そこがホワイトボックスだって判断がつけられたのに…。

美津子は もう いやになってきました。

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